プロトコル
主な用途
プロトコルには、プロセスのイベントルールまたは手順が含まれます。プロセスの多くは、規定(ルール)や遵守すべき事柄等があります。例えば、従うべき商習慣、またはルールであったり、場所により実施されるべき事柄であったり、あるイベントの後、それに関連して実行すべき事柄を持っていたり、期日が規定されてたりします。プロトコル分析ツールは、プロトコルに異常がある、または守られていない領域を明確にします。
プロトコルは、「分析メニュー>プロトコル」から設定内容を確認できます。
概要
プロトコルとは?
プロトコルとは、あるべき事前定義されたアクティビティです。つまり、プロトコルは、定義された通りに実施されることが期待されます。プロトコルは、指示書またはレシピと言い換えることもできます。プロトコルの例:心停止患者の蘇生(手順)。401Kロールオーバーで顧客研修。新規顧客への製品の販売、博士論文の応答、など。
プロトコルは、単一の線形シーケンスである必要はありません。オブジェクトの内容に応じて複数のプロトコルが存在する可能性があります(例えば、心臓病の患者と銃撃された患者では異なるプロトコルが存在します)。同じプロトコル内に複数のブランチ(枝分かれ)がある可能性もあります。何かを行い、その結果を確認して、Aならばこうして、Bならばこうする、といった具合です。1つのプロトコルの中で発生する複数のプロトコルもあります。例えば、患者の受け入れプロセス中に、その患者に急性心停止が発生した場合が挙げられます。さらに、「子」プロトコル(「内部」プロトコル)が、「親」プロトコルの中のステップからトリガーされることがあります。(例えば、新入社員のEメールアカウントを作成するプロトコルは、親プロトコルにあたる「従業員新人研修プロセス」の1つのステップとしてトリガーされます。)もしくは、「子」プロトコル(「内部」プロトコル)が、外部イベントに依り独立して開始されることもあります。(例えば、患者受け入れ中の緊急医療事態の場合がそれにあたります。)
分析
プロトコルを扱う際、いくつか重要な確認事項が有ります:
- プロトコルの遵守とは何か?どのような違反が、どのような頻度で発生しているか?
- プロトコル違反は結果を変えるか?どのくらいの規模の、どういった種類の違反か?
- 複数のプロトコルがある場合、それぞれのプロトコルにより結果はどう変わるか?
この上記リストには、プロトコル検出プロセスは含まれません。これについては、別途説明します。
プロトコルの複雑性
上述のとおり、プロトコルは線形のアクティビティのセットよりもはるかに複雑です。
以下が含まれる可能性があります:
- 一部のアクティビティは、順不同で行われる場合があります。効果は並行して実施されるアクティビティに似ていますが、ユーザーはその結果について異なる考え方をする場合があります。
- コンカレント(同時)アクティビティ - 並行して実行されるアクティビティ。
- フォーク - 複数の可能パス間の論理的分割。フォークには、多数の追加オプションがあります。これは、前のアクティビティの結果に依存することもあれば、プロセスの属性に依存することもあり、また、我々にはコントロールできない制御の外にあるか、完全にランダムかもしれません。
- 繰り返し - 一部のアクティビティは、特定の値と同じ、少ない、または多い回数実行される可能性があります。
- マージ(結合) - 複数またはすべてのブランチが結合されるまで、プロセスはそれ以上先に進みません。これは通常、同時アクティビティの後に発生します。
プロトコルツールの使用
プロトコルを設定する際、次の内容を考慮します:イベント/ステップがオプションか?、イベント/ステップの後に特別な時間制約があるか?、別のステップ/イベントと同時に発生するか?、イベント/ステップ間で繰り返すか?、またはイベント/ステップ間でフローティング(流動的)か?
[違反を表示]ボタンをクリックすると、違反リストが全て表示され、本リストで違反を非表示にするかフィルタリングするかを選択できます。 また、列ヘッダー項目(プロトコルアイテム、違反タイプ、件数、またはタイムラインのパーセント)で違反をソートできます。
違反を非表示にした場合、プロトコル違反リストの右上隅にある[非表示の違反]をクリックすることで、非表示の項目をリストで確認できます。 ここで、非表示の違反を再表示することができます。
違反のタイプ
- 誤った位置 - イベントは存在するが、発生順序にイレギュラーがある。
例えば、プロトコルがABCDEを要求しましたが、実際は、ABECDの場合。この事象では、Eが間違っています。 - 不足ステップ - ABDEのように必要なイベントがない(Cが欠落)。
- 間違ったカウント - イベントはプロトコルの定義した回数よりも多くまたは少なく発生する場合があります。プロトコル定義では、任意のイベントのカウントレンジ(回数の範囲)を指定できます。デフォルトの範囲では、1-1(1回)です。そのため、ABCCCDEになった場合、これはカウント違反になります。
- 時間違反–指定された制限時間を超えています。
例
これは、新入社員研修のための比較的複雑なプロトコルです。
- 署名入りの申込書を取得
- 承認を得る
- 新規アカウントの作成
- 現在の401K所有者がいる場合:
- 既存401K所有者から資金移動を依頼
- 2週間以内に返答がない場合には、もう一度依頼
- 3回試した後でも返答がない場合には、プロトコル「無返答所有者」にエスカレーション
- 資金預入
- 顧客に電話して、オプション再確認
- アカウントを有効化
結果は、上記プロトコルから外れる場合もあります。次の例は、プロトコルの結果の内容です。
- プロセス中止 - 顧客がプロセスの途中でやめる
- 一時的成功 - 顧客はアカウントを有効化したが、最初の6ヵ月以内にやめる
- 成功 - 顧客はアカウントの有効化以降6ヵ月利用を継続
次の内容は、典型的なプロトコル違反を示します:
- 欠落した手順 5)「顧客コール」。ケース全体の28%で発生。その結果として「プロセスの中止」が2%増加、「一時的な成功」が9%増加、「成功」が11%減少につながっています。
- 欠落した手順 4.2).「再度資金を依頼」。その結果として「プロセスの中止」が14%増加、「一時的な成功」が3%増加、「成功」が17%の減少につながっています。
- など...
22.09.2023 8:59:48